新生涯ディストーション

趣味・自己満足・ご都合主義による好きな音楽の所感置き場です

言葉のやり方

 

今週も、お疲れさまです。

 

 

在宅の1日の過ごし方を固定し始めたら、

気持ちが安定してきました……(笑)

 

あとは音楽……。

毎日毎日最高な動画ストックや新録を公開してくれる各所に感謝してばかりの日々。

 

です。

 

 

 

今週聴いていたのはこちら。

 

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way of 春風 / THE PINBALLS

 

 

久し振りに新譜以外の曲です。

 

 

タイトル通り春曲なのですが、

住んでいる地域では今くらいがちょうどこの曲にピッタリな気候です。

 

このアルバムのリリース時のインタビューで

「このアルバムでは曲順にそれぞれ1〜12月をイメージしてる」

と話してるのを読んだことがあり、

つまりこの曲は4曲目で、そのまま4月の曲。

個人的には4月下旬が一番しっくり来ています。

 

 

毎年この時期が来ると、

「そろそろ春風のやり方やな……」

と思います。

ピンボールズの中でもかなり好きな曲です。

 

 

歌入りから

 

《春風のやり方で 木漏れ日のしぐさで

誰にも見えないところへ

消え去ってしまいたい》

 

って始まるんですけど、

わりとヤバくないですか?

 

天才的に好き、言葉の書き留め方が。

 

効果あるんかっていう倒置法

 

 

タイトルにも繋がってる「春風のやり方」という決めフレーズ、

に、間髪入れず続く「木漏れ日のしぐさ」。

 

4月の暖かさ、美しさ、穏やかさ、眩しさ、新しさ、季節が切り替わった寂しさ切なさ…

などなどを、こんな1行でスパーーーンと書き抜いてて気持ちが良すぎます……!!

天才か……!!

 

 

「別れ」で3月っぽさを出したり、

「桜」で4月っぽさを出す春曲はいろいろあると思うのですが、

この曲の明確な春ワードは「春風」の1単語だけなんですよね。

 

あとはメロディーと、手紙のような日記のような、フレーズの組み合わせで4月っぽさを醸しまくっています。

 

このバンドの歌詞はみんなこういう巧い書き留め方で、

丁寧に物語が作られているなーとワクワクします。

歌詞を書いてるっていうより物語や童話とか手紙とか、日記とかを書き留めているっていう言い方が近いなと思うのです。

 

そういうやり方が超好き。

 

 

 

ではここで、

私の好きなピンボールズの歌詞を列挙します。

 

順位つけられなかったので、

ランキングとかのわかりやすい手法は秒で頓挫しました。

なんとか絞って3つだけ。

 

 

1.「ワンダーソング」(収録アルバム「NUMBER SEVEN」)より

 

 

《恋人たちがフルーツを

食べるように怒る優しさで

地球はきっと一回転する》

 

 

恋人たちがフルーツを食べるように怒る優しさ!!!!

恋人たちがフルーツを(略)!!!!

なんつー甘い文学と優しい観察眼!!

 

「恋人たち」っていうワードがしばしば出てくるんですけど、恋人たち関係の歌詞はだいたい素晴らしく好きです。

 

古川さんの目には世界がこう見えてんのかなあ。

古川さんの世界を私たちが見たらこういう感じなのか。

私の中で日本語歌詞世界の大革命が起きたフレーズです。

 

 

 

 

2.「スノウミュート」(収録アルバム「さよなら20世紀」)より

 

 

《下手なままで良かった 血を吸われながら

陽に灼かれながら 変わらないでいられたら》

 

 

これは、この歌詞を見ただけではそこまで刺激的な言葉選びではないんですが、

ジャングルライフのインタビューを読んでたまげて以来記憶に残っているので、

その記事も置いておきます。笑

 

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(インタビュー記事➡︎THE PINBALLS | JUNGLE☆LIFE)

 

まじかよ……

公園で蚊に刺されながら練習してたことを歌詞にしたらこうなるんか……

 

たまげました。

こんなにも世界フィルターが強く格好良く美しくて個性的な人、

ほかにあんまり見たことがない。

 

 

 

 

3.「deep sea song」(収録アルバム「ONE EYED WILLY」)より

 

 

《蹄のナイフで 削った街にいて

水平線のバラードが 僕を呼び続けるから

裸足のまま 会いに行くのさ》

 

 

蹄のナイフで削った街、

ッハアーーーーー!!!!

 

ミッシェルは赤毛のケリー、

「水牛の角でつくられた街」以来12年振りの、

「それ以外の言葉で表現できない代用不可能な街」表現歌詞!!!

 

蹄のナイフで削った街も水牛の角でつくられた街も、

私は多分行ったことない街だと思うのですが、

そして人によって頭に描ける場所は違うとも思うんですが、

なぜかこの2つの街が近しい空気を持ってるんじゃないかなってことは超わかるんです……

 

(解釈違いのファンの方イラついたら本当にすいません…でも私はあなたの街も愛してるよ…)

 

こういう、ドキドキザワザワする世界をスケッチみたいにザカザカッと描くような歌詞大好きです。

 

 

 

 

最後にミッシェルぶち込んでよくわかんないことにしちゃいましたが、

とにかくピンボールズの歌詞超好きです、

っていう話でした。

 

 

最後に、

way of 春風の弾き語りを最近古川さんがツイッターに上げてくれていたので、

それだけ貼っておきます。最高。ありがとう。

 

古川 貴之 on Twitter: "めちゃくちゃ歌いたい気持ちだったので、めちゃくちゃ好きな歌を歌ってた 春風のやり方 っていう言葉を思いついて作ったのを思い出します!… "

古川 貴之 on Twitter: "あとよくわかんなくて二個に分かれてしまった!!でも最後まで行きたかった!… "

(よくわかんなくて二個に分かれてしまったそうです。笑)

 

こういうの聴けるおかげで、

元気です。

ありがとうございます。

 

 

来週も頑張ってまいりましょう。